2010年9月14日火曜日

12.最悪の事態のための「心構え」

事が起こったその時に、慌てることなく、やるべきことを次から次へとやっていく。誰もがこんなふうに本当にやれるのでしょうか。ちょっと想像してみてください。

突然の出来事においては、あらゆることが混乱するため、正確な情報を得られることは期待できないし、しかも、その判断は、数時間をかけて行うわけにはいかず、ほんの一瞬で行わなければならないかもしれません。静かに周りを見回し、冷静に考え、最適な判断をすることなど、よほどの経験を持っているか、具体的な訓練がなされていない限り無理なことです。

慌てて軽率な行動をしたり、逆に、頭の中が整理できずに議論や判断が長引き、時間だけが過ぎていったりします。気づいた時には、あっという間に数時間が。

ちょっとしたことでも気持ちの余裕のないときには、普段では、考えられないようなミスをしてしまうことがあります。不意に何かに気を取られただけでも、何か大切なものを置き忘れたり、落としたり、どこに置いたのか分からなくなってしまいます。また、毎日のようにやっていることで、考える必要もなく自然に行っていることも、ふと、何かのトラブル時に、意図的にやろうとしても、どうするのか思い出せなかったりします。ましてや、緊急時には、思い出せない、考えられないミスをする、何をしていいのか分からなくなる、やれるはずのことが上手くできないといったことが起こります。

こんなことを避けるには、どんなことが起こりえるのか、そして、その時、何をすればよいのかをあらかじめ考えておくことが大切です。

突然の出来事にうろたえることなく行動するためには、事が起こる前にいろいろなことを想定し、その時の対応を決めておかなければなりません。そして、このような事前の想定が、気持ちを落ち着かせ、冷静な対応をする上での心の基盤となります。

「心構えとは、最悪の事態が起きた時に「すべきこと」と「してはいけないこと」を前もって決めておくということです。- 元サンディエゴ市警 警察官 - (P28)」
Sanford Strong (1997) “Strong on Defense (凶悪犯から身を守る本)” Atria (毎日新聞社)

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