2010年5月9日日曜日

6.人に自信を示す

人から自分を信じてもらうためには、まず、なによりも「自分で自分を信じる」ことが大切です。どこか自信の無さが見えてしまったとき、まわりは、その人を信じることができません。リーダーの存在は、ある意味では、不確実な未来に対する道しるべとも言えるため、その人に不安感があれば、とてもついていこうという気にはなれません。

いつも細かく問題点を分析し行動する人でも、「たぶんこれでいいはずなんだが…」といった不安定な態度をとると、まわりは困ってしまいます。将来のことは、誰も確信をもって語れるはずはありませんが、だからといってリーダーが不安でいっぱいといったような態度をとることは、歓迎されません。周りにいる人のためにも、自分の能力に対する自信を強く示すことが大切です。

しかし、このことは、自分の内に秘めておけば良いというものではありません。多くの人に対して意図的にこれを見せるようなことも必要です。もちろん、中味を置き去りにして、テクニックにばかりを気にしているようでは困りますが、少々の工夫も必要です。早口や早い動作を基本とするのではなく、常にゆっくりと語り、落ち着いて行動することが、自信を相手に感じさせます。本人がどういう心理状態であるかは別として、相手はこのように感じるものです。

あるとき非常に難しい話し合いの場がありました。応接室のソファに座ると、お客様から、今、不安視していることについて、最も避けたい質問をされてしまいました。しかし、隣にいた部長は、前かがみでいた姿勢をゆっくりと背もたれに倒しながら、静かに答えました。そのことに関してお客様は、それ以上、つづけようとしませんでした。責任ある発言と受け取ったからです。

「自信がある」というだけでなく、「自信を示す」ということも大切です。いろいろな事を考えているうちに、自信が薄れてくるものですが、リーダーは、こんなことではいけません。自信を示さなければならないのです。

「人は『自信を示す』人間に、自然と心を引かれるものです。もしあなたに自信があっても、目立たないところに黙って立っているのでは、あまり意味はありません。カリスマ的な人間はその立ち振る舞いや話し方、話の内容によって人々に「自信を示す」のです。- ニューヨーク プロ・マジシャン - P164」
Steve Cohen (2005) “Win the Crowd : Unlock the Secrets of Influence, Charisma, and Showmanship (カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術)” Collins (ディスカヴァー・トゥエンティワン)

0 件のコメント:

コメントを投稿