2010年4月24日土曜日

5.大多数への挑戦

会議に参加する大多数の人の意見と自分の意見が異なるとき、辛い立場に置かれることになります。このような状態では、あえて挑戦的な態度を取りたいと考える人を除いては、殆どの人は、困ってしまいます。心の中で「さて、困った、どうしようか」とつぶやくことになります。

こんな事態を克服するために、参加している人に話しかけ、理解を求めようと努力する人もいますが、面倒なので、とりあえず従うような素振りを見せるという人もいます。しかし、たとえ、理解を求めようと努力するつもりがあったとしても、そう簡単にはいきません。

自分の意見に賛成してくれそうな人が少しでもいたり、意見の根拠を真剣に聞いてもらいえる雰囲気があればいいのですが、必ずしもそんな場面だけではありません。多数派の意見がそれなりの根拠を持っていたり、地位の高い人が主張する意見であったりすれば、非常に異議を唱えづらい雰囲気となります。自分の意見を主張するには、強い意志と勇気が必要となります。どのタイミングで言うべきなのか、それは今なのか、たいへん迷うところです。

特に、会議にただ参加しているというのではなく、組織の代表として、或いは、リーダーとして参加しているようなときには、安易に話を見過ごすわけにはいきません。言うべきことを言う責任があります。簡単に周りの意見に同意というわけにはいきません。その決定内容は、自分だけでなく、多くの人たちに影響するからです。

更に、関係する組織が当然と思うようなこと、当たり前と考えることに対して、相反する意見を主張しなければならない時には、特に強い意志が必要となります。議論することがというより、話を切り出すこと自体が難しくなります。

こんな難しい状況下であろうとも、責任ある人にとっては、迷うことなく、常に言うべきことを言う毅然とした態度が必要となるのです。

「リーダーの仕事の中でもっとも勇気がいるのは、現体制をひっくり返し、多数派に挑戦することになるかもしれない情報を検討し判断を下すことである。- ニューヨーク消防局消防隊 隊長 - (P53)」
John Salka / Barret Neville (2004) “First in, Last out: Leadership Lessons from the New York Fire Department (人を動かす火事場の鉄則)” Portfolio Trade (講談社)

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