2010年12月27日月曜日

14.思い込みによるミス

次に、望まない事態が起こる原因について、考えてみます。自然災害のような、どうすることも出来ないようなこともありますが、ほとんどの場合、人為的なミスが最終的に不本意な災難を生み出します。人為的なミスが、根本原因でなかったとしても、本来、回避できるはずのことを、ちょっとした人の不注意などが、問題を大きくすることがあります。機械の故障などの不都合なことが複数積み重なっていたとしても、その頂点に立つ人が最終的に正しくものを見て行動していれば、避けられたといったことも多いはずです。

人によるミスの原因は、「思い込み」や「勘違い」よるものです。オフィスにおいても、毎日のようにこんなことが起こります。会議の日時、重要な連絡事項、考慮すべき前提条件、書類の提出日など、事のインパクトも様々ですが、ミスのない日はありませんし、ミスをしない人などはなかなかいません。特に急いでいるときには、ミスをしてしまう可能性が著しく高くなります。

人の記憶や行動は、機械のように正確なものではありません。「確かに、確認したはずなのに」、「おかしいなあ、伝えたと思ったのですが」、「今、考えてみるとそう聞いたかもしれないのですが」といったふうに、曖昧な行動をとってしまいます。

このように、見えていたはずなのに見えていなかったり、実際にはやっていないにもかかわらずやったと思ったり、考えたこと逆さまの行動をとっていたりなど、こんなことが多くなっています。特に、精神的に余裕の無いときや、最初の状態から何かが変更されたときなどの混乱しているときにこのようなことが起きてしまいます。

やはり、人が関与する以上、必ずミスが起こるという前提に立ち、できるだけ、人に依存しないような防止策を考えていくことがたいせつです。そして、人に頼らざるを得ないようなことについては、思い込みによるミスの可能性を十分に考えた防止策が必要となってきます。

「人間が犯すエラーの中で大きな役割を占めるのに「思い込み」によるものがある。人間はいったん思い込みをしてしまうと、他から多くの情報を与えられても、その誤りに気がつかないものである。- 旅客機B747 機長 -(P66)」
杉江 弘 (2006) “機長が語るヒューマン・エラーの真実” ソフトバンククリエイティブ



【参考】
パイロット:旅客機 機長
パイロット:戦闘機
Heuristic (ヒューリスティック)
Human Error (ヒューマン・エラー)
Checklist (チェックリスト)


2010年10月24日日曜日

13.メンタルリハーサル

危機的状況への対処法として、事前にどう行動すべきかを決めておく必要がありますが、これが実際の場面においても、確実に実行できなければ意味がありません。こうすればいいと頭では分かっていても、実際にやってみたら、やれなかったというわけには行きません。

オフィスビルの火災や地震を想定して、避難訓練を行うことはありますが、実際の場面でどこまで何ができるのか疑問なところもあります。本当に発生してしまった時には、煙が蔓延するということだけでなく、つい先程までのオフィスの雰囲気とは全く別の世界になってしまうはずです。慌てた人たちでフロアや階段は埋め尽くされ、いつも普通にやっている行動ですら、できなくなってしまいます。

非常事態においても、決められた行動を迅速にとるためには、より現実的な場面を設定したリハーサルを行うことが大切です。このリハーサルは、行動の手順ということだけなく、恐怖や不安の中においても実行できる、精神的な面でのリハーサルでかければなりません。

品質に問題のある商品が市場に出回ったと分かった時の対応、システム障害を一刻も早く復旧するための対応、新たな脅威である新型インフルエンザの企業内での蔓延防止などといったことへの対応方法について関心が集まっていますが、対応を迅速に行うような訓練が実際になされているかと言われると、必ずしもそうではありません。

時間や費用の制約はありますが、何か望まない事態が起こったときに受けるダメージと比較し、本当の意味で、その時、行動できるように準備しておかなければなりません。少なくとも、事が起こった時の状態をリアルにイメージした上で、対応する訓練が必要となります。「あれっ、どうすればいいんだっけ」では、すまない時が来るはずです。

「自分の取るべき行動をビジュアライズ(その時の光景と自分の体の動きを頭の中でくっきりと思いうかべること)させ、心の中で前もってリハーサル(予行演習)を行っておくのです。これは「メンタルリハーサル」とも呼ばれ、スポーツ選手のトレーニングや軍事訓練や医学の治療など、さまざまな分野で用いられており、有効性が証明されています。- 元サンディエゴ市警 警察官 -(P26)」
Sanford Strong (1997) “Strong on Defense (凶悪犯から身を守る本)” Atria (毎日新聞社)



【参考】
Mental Rehearsal (メンタル・リハーサル)

2010年9月14日火曜日

12.最悪の事態のための「心構え」

事が起こったその時に、慌てることなく、やるべきことを次から次へとやっていく。誰もがこんなふうに本当にやれるのでしょうか。ちょっと想像してみてください。

突然の出来事においては、あらゆることが混乱するため、正確な情報を得られることは期待できないし、しかも、その判断は、数時間をかけて行うわけにはいかず、ほんの一瞬で行わなければならないかもしれません。静かに周りを見回し、冷静に考え、最適な判断をすることなど、よほどの経験を持っているか、具体的な訓練がなされていない限り無理なことです。

慌てて軽率な行動をしたり、逆に、頭の中が整理できずに議論や判断が長引き、時間だけが過ぎていったりします。気づいた時には、あっという間に数時間が。

ちょっとしたことでも気持ちの余裕のないときには、普段では、考えられないようなミスをしてしまうことがあります。不意に何かに気を取られただけでも、何か大切なものを置き忘れたり、落としたり、どこに置いたのか分からなくなってしまいます。また、毎日のようにやっていることで、考える必要もなく自然に行っていることも、ふと、何かのトラブル時に、意図的にやろうとしても、どうするのか思い出せなかったりします。ましてや、緊急時には、思い出せない、考えられないミスをする、何をしていいのか分からなくなる、やれるはずのことが上手くできないといったことが起こります。

こんなことを避けるには、どんなことが起こりえるのか、そして、その時、何をすればよいのかをあらかじめ考えておくことが大切です。

突然の出来事にうろたえることなく行動するためには、事が起こる前にいろいろなことを想定し、その時の対応を決めておかなければなりません。そして、このような事前の想定が、気持ちを落ち着かせ、冷静な対応をする上での心の基盤となります。

「心構えとは、最悪の事態が起きた時に「すべきこと」と「してはいけないこと」を前もって決めておくということです。- 元サンディエゴ市警 警察官 - (P28)」
Sanford Strong (1997) “Strong on Defense (凶悪犯から身を守る本)” Atria (毎日新聞社)

2010年8月28日土曜日

【映画で学ぶ】 突入せよ!「あさま山荘」事件

私が子供の頃なので、もう40年ぐらい前の話に実際にあった、人質たてこもり事件について、1週間以上の間の立てこもり犯と警察とのやりとりが映画となっています。原作は、当時、警察としてこの事件を担当した、佐々 淳行 さん。

今では、人質事件やテロのような事件では、特別に訓練されている特殊部隊が、対応すると思いますが、当時は、まだ、そのような部隊が日本には存在しないため、かなり対応に苦労している姿が映し出されています。しかし、その代わりに、警察がこのような特殊な事件に、どのように対処したかが、見て取れるので、こう言った点で参考になります。

警察といっても、組織で動くため、警視庁と長野県警とのやり取りなど、普通の会社組織で起こる問題など、普段の仕事や環境に照らし合わせて考えることができます。

緊迫した非常事態での人の行動を見ながら、自分だったら、どのように何ができるのかを考えるには、よい映画だと思います。

あることが起こったとき、起こりそうなとき、どこまで、先を見通して、これに向けて行動できるのかという点についても考えるきっかけにもなると思います。

2010年7月31日土曜日

11.敵を作らない

話の進め方として、「相手を追い詰めない」ということだけでなく、自分と相手を敵対関係として位置づけることも、また、良くないことです。

例え立場の違いから意見や利害が対立していたとしても、それ以上に相手を思っているわけではありません。意見を否定しているだけで、その人を否定しているわけではありません。しかし、こちらが敵対的な態度で、強引に話を進めたり、何か不利になる状況をわざわざつくるようなことがあれば、相手も同じように相手を敵とみなします。

自分に何かの事情があるように、相手にもいろいろな事情があります。意見が重ならないことを自分と相手の問題と捉えてはいけません。そして、その違いを、その時だけでなく、永久的に続くものと思うのも間違いです。あるとき、ある人とある人の持つ意見が違っているだけのことなのです。もう少し、相手の事情やその背景を知る努力ができるのであれば、意外に、表面的な意見の違いはあっても、考えていることにさほど違いがないことに気づく場合もあります。しかし、なかなか人の気持としては、この様に捉えることができずに、即座に、迷うことなく、相手との敵対関係を作ってしまうことがあります。

対立関係が出来てしまっても、あくまで、「我々」という視点で考えることが必要です。自分の意見や立場を守るため、敵として扱うことは、結果的に自分に良くない行為として跳ね返ってきます。対立するような場面においても、敵を作らない。むずかしいことかもしれませんが、対立関係において、最も気をつけなければならない大切なことなのです。

「映画界で突然キャリアが停止して脱落していく俳優のリストは、敵を作ったり、人の足を引っ張ったりした者のリストと一致する。- ハリウッド映画俳優 - (P133)」
Michael Caine (1990) “Acting in Film (映画の演技)” Applause Theater Book Publishers (劇書房)

2010年7月3日土曜日

10.相手の気持を読み取る

「何とか上手い合意点で話を収めたい」そう思っている相手と話すのであれば良いのですが、必ずしもそんな場面だけとは限りません。時には、全く話す気の無い相手と、話をし、自分の考えを受け入れてもらうことが必要なときもあります。

こんな時には、まず、自分の考えよりも自分自身を受け入れてもらうことが大切です。話を始める前に何か良くない評判や体験を持っており、話す前から信頼とは程遠いような位置にいることがあります。また、始めは十分、建設的な態度で臨んでいたとしても、話の途中で相手の言葉づかいや態度を不快に思い、徐々に感情的になり不信感が増大してくるようなこともあります。

信頼関係が崩れていたり、そもそも無かったり、感情的な面があらわになってきたときなど、話をしようとしている側も、不安定な気分に陥っていきます。このような状態になったとき、ここから抜け出すためには、できるだけ話を整理し、きちんとした話し方をすべく、冷静になり、論理的に整理して話そうと考え、努力することがあります。しかし、これは、たいへん危険な行為です。良かれと思ってやる行為ではありますが、相手にとっては、そうとは受け取れず、逆に、さかなでするというか、いわゆる火に油を注ぐ行為となってしまいます。

このため、対立する状態においては、なによりも相手の気持をまず理解することがたいせつです。相手も相手の立場で考え、話しているのですから、相手なりの考えがあるはずです。これを無視しつづけても、話がかみ合うはずもありません。

交渉という場面においても、まず、信頼関係を築かなければ、相手も話を聞こうとしません。特に、そもそも交渉のテーブルにつこうという気の無い相手と、話をしなければならないときなどは、まず相手の感情を理解し信頼関係を築くことが、最初に行われる最も重要なことです。この壁を越えない限りは、一歩も先へは進めません。

人質交渉では、相手の感情を読もうと耳を澄ますことが非常に重要だ。一つには相手の人柄や精神状態を知る鍵となるためだ。いや、もっと大切なことがある。耳を澄ませて相手の感情を知ることで、信頼関係を築き、相手と話をする方法がわかることだ。- 元ニューヨーク市警 警察官(交渉人) - (P109)」
Dominick J. Misino (2004) “Negotiate and Win: Unbeatable Real-World Strategies from the NYPD‘s Top Negotiator (NYPD No.1 ネゴシエーター:最強の交渉術” McGraw-Hill (フォレスト出版)

2010年6月19日土曜日

9.押し付けない

最初から最後まで、自分たちのベースで交渉を進めたいものですが、これがそう上手くは行かず、焦りもあって、つい、強引な流れで進めようとしてしまいます。一つひとつ論理的な攻め方をした場合、その内容が事実に基づくのであれれば、相手はもう認めるしかなくなります。この流れを食い止めるには、感情的に応戦するしかありませんが、もし、自分たちの主張を相手が認める方向で話が進んできたなら、このまま合意という方向に流れます。

しかし、このように自分たちには思いどおりに進んでいるように見えても、実は見えないところから、逆の流れが沸き起こってくることがあります。また、思い通りに進めている側も、うまくいっていると思いこみ、今起こっていることに気がつかない傾向にあります。このため、最後の最後で、突然、思わぬ方向に進み、意図しない結果をもたらしてしまうことがあります。

このことは、交渉時に限らず、業務改革などを進めるときにも起こります。合理的な説明で新しいやり方の必要性を主張する推進派に対して、現場の実務者たちは、最初は異議を唱えたり、議論しようとします。しかし、強引に進める雰囲気を感じたり、論理的に理路整然と反論してきたときには、一時的に合意したような態度を示します。実際は、全く逆です。反対の意志をより強固なものとし、その意志を明確に示すタイミングを見計らっているだけです。

論理思考を教える研修においても、「相手に自分の意見を伝えるというのが目的であり、ロジックに気を取られ過ぎては、相手に正しく伝わらない」といった話をすると、参加されている方々は、何かほっとしたような雰囲気をみせることがあります。論理が必要なことは十分理解できるが、このような攻め方だけでは、上手く行かないことに多くの人が気がついているようです。

自分たちの思い通りにしようと合理的に話を進めていくと、相手は追い詰められていき、そして、相手の反発心を育てることになります。思い通りにしようとすればするほど、そうしたくないという強い感情を増大させ、これが最終的に不本意な結果をもたらすことになるのです。

「こちらのスタイルばかりを押しつけて交渉を進めていると、順調そうに見えて、逆に相手を追い詰めてしまうことにもなりかねない。結果、状況は決していいほうには転がらないだろう。- 国際スポーツイベント 誘致ロビイスト - (P35)」
諸星 裕 (2007) “プロ交渉人:世界は「交渉」で動く (集英社新書)” 集英社

2010年6月9日水曜日

8.「脅し」は「悲鳴」

心理的な戦術としての怒鳴る、声を荒げるといったテクニックも、あまりに激しく繰り返されると、交渉というより脅しととれるようなことがあります。これは、非常にやりにくい状態です。まともに話が進みそうな気がしません。そんなときには、ここでも、これをまともに受けるのではなく、冷静に考えてみることがたいせつです。

これも本当の意味での相手の感情ではなく、そんなに切羽詰ったテクニックを使用してくるということには、それなりの理由がある。或いは、先程まで、冷静に話を進めていたのにもかかわらず、突然、感情的に攻めてくるというのは、何か冷静でいられない理由がそこにあった。そんなふうに考えてみると、実は、相手が非常に苦しい立場に追い込まれていることに気がつきます。

このような態度は、「もう、これ以上は無理だ、どうにもならない」、「この辺でやめにしてくれ」といったメッセージであるとも言えます。脅しともとれるような罵声は、追い詰められた側が、最後の手段として、使ってくるテクニックでもあるのです。

その場の様子や言動に対して、そのまま反応してはいけません。そのまま受け取るのではなく、むしろ、逆さまに受け取ったほうが、正しい理解となるのかもしれません。

脅しや怒鳴り声には、冷静に対応することが重要です。決して気分の良いことではありませんが、言葉どおりに受け取るのではなく、これにより相手の限界を知り、この限界に対して適切な対応ができるようにすることが大切です。

相手の脅しは、結局のところ、これ以上踏み込まれると倒れるからやめてくれという相手からの悲鳴と同じなのである。怒声を浴びせられたら、こちらはじっくり冷静に応答するようにしたい。- 元外務省 北朝鮮班長/外交官 - (P169)
原田武夫 (2006) “元外交官が最前線で見てきた 超一級の外交術:勝者が必ず踏んでいた「7つのプロセス」とは” 青春出版社

2010年5月30日日曜日

7.あらゆる可能性を想定

交渉の場面では、最初に考えていたことと全く異なることが起こるといったことは、よくあることです。交渉のスタートポイントが違っていたり、高圧的な態度で臨んでくると思っていたがそうでなかったり、そもそも、参加するはずのキーマンがその場にいなかったりと。

話のテンポを崩すことなく、その場で的確な判断をしていくためには、交渉の前には、譲れることを明確しておくだけでなく、あらかじめ、いろいろなことを考えておくことが大切です。その場で、即座に考えるのは、相当な経験を持った人でも難しいことです。

この場面では、どんなことを相手が言ってくる可能性があるのか。どのように話を展開してくるのか。自分たちの主張をどのように崩そうとしてくるのか。ありとあらゆることを考えておかなければなりません。これは、想像力の問題でもありますが、的確な判断をして行くためには、起こりえるあらゆる場面をビジュアルで具体的に想定し、あらかじめ答えや話の流れを作る言葉を用意しておく必要があります。

最近になって気がついたことですが、将来起こりえる可能性の話をしたときに、何か否定的な印象を持つ人がいるようです。将来については、いろいろなことが起こりえるため、好ましいこと、好ましくないことなどを同じレベルで語っているような場面でも、好ましくないことについては、ちょっと特別な感情を持つようです。あくまで可能性の話をしているに過ぎないのですが、そうとは受け取れず、否定的な話をしていると取られることがあります。「そんなことを言っていたら、何もやれないでしょう」といった具合に少し感情的にとられることさえもあります。可能性は、あくまで可能性の話なのですが。

このように、良い話であれ、悪い話であれ、事前に、あらゆることを想定しておくことは、どのようなことが起ころうとも慌てずに交渉を進め、最終的に目指す合意点で事を成し遂げるために、非常に大切なことなのです。

交渉の場において瞬時の判断を要求されるときに、勇気と慎重さのハザマでうろうろしている暇はない。そのような状況は、事前の調査と分析で、ありとあらゆる可能性を想定しておくことによって乗り切れる。- 国際スポーツイベント 誘致ロビイスト - (P16)
諸星 裕 (2007) “プロ交渉人:世界は「交渉」で動く (集英社新書)” 集英社

2010年5月9日日曜日

6.人に自信を示す

人から自分を信じてもらうためには、まず、なによりも「自分で自分を信じる」ことが大切です。どこか自信の無さが見えてしまったとき、まわりは、その人を信じることができません。リーダーの存在は、ある意味では、不確実な未来に対する道しるべとも言えるため、その人に不安感があれば、とてもついていこうという気にはなれません。

いつも細かく問題点を分析し行動する人でも、「たぶんこれでいいはずなんだが…」といった不安定な態度をとると、まわりは困ってしまいます。将来のことは、誰も確信をもって語れるはずはありませんが、だからといってリーダーが不安でいっぱいといったような態度をとることは、歓迎されません。周りにいる人のためにも、自分の能力に対する自信を強く示すことが大切です。

しかし、このことは、自分の内に秘めておけば良いというものではありません。多くの人に対して意図的にこれを見せるようなことも必要です。もちろん、中味を置き去りにして、テクニックにばかりを気にしているようでは困りますが、少々の工夫も必要です。早口や早い動作を基本とするのではなく、常にゆっくりと語り、落ち着いて行動することが、自信を相手に感じさせます。本人がどういう心理状態であるかは別として、相手はこのように感じるものです。

あるとき非常に難しい話し合いの場がありました。応接室のソファに座ると、お客様から、今、不安視していることについて、最も避けたい質問をされてしまいました。しかし、隣にいた部長は、前かがみでいた姿勢をゆっくりと背もたれに倒しながら、静かに答えました。そのことに関してお客様は、それ以上、つづけようとしませんでした。責任ある発言と受け取ったからです。

「自信がある」というだけでなく、「自信を示す」ということも大切です。いろいろな事を考えているうちに、自信が薄れてくるものですが、リーダーは、こんなことではいけません。自信を示さなければならないのです。

「人は『自信を示す』人間に、自然と心を引かれるものです。もしあなたに自信があっても、目立たないところに黙って立っているのでは、あまり意味はありません。カリスマ的な人間はその立ち振る舞いや話し方、話の内容によって人々に「自信を示す」のです。- ニューヨーク プロ・マジシャン - P164」
Steve Cohen (2005) “Win the Crowd : Unlock the Secrets of Influence, Charisma, and Showmanship (カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術)” Collins (ディスカヴァー・トゥエンティワン)

2010年4月30日金曜日

【映画で学ぶ】ワンス アンド フォーエバー WE WERE SOLDIERS

「アポロ13号」のような危機的な状況を多くの関係者が知恵をしぼり解決するといったものとはことなり、こちらは戦争の一場面を元に多くのメッセージを含んでいます。

この多くのメッセージの中の一つに、
指揮官がどうあるべきなのかというテーマがあります。
もっと簡単にいうなら「上司としての責任」、「本当の意味でのリーダーシップとは何か」
ということです。

主役の指揮官は、危険なミッションを遂行するために部下を連れてベトナムの戦場に降り立ちますが、ヘリコプターから、"真っ先に降り"、そして、負傷者を出しながらも、常に、全員を連れて帰ることにこだわりつづけ、そして、戦場を後にする時には、全てを確認し、ヘリコプターに"一番最後に乗り込む"といったことが映し出されてます。

リーダーシップや上司としての行動みたいな話は、あちこちで聞かれ、本やセミナーで教えられていますが、この映画を見ると、ちょっと何か違うなあと感じてしまいます。

こんな視点で見ると、この映画もちょっとただの娯楽映画ではなく、重たい何かを感じることができます。

2010年4月24日土曜日

5.大多数への挑戦

会議に参加する大多数の人の意見と自分の意見が異なるとき、辛い立場に置かれることになります。このような状態では、あえて挑戦的な態度を取りたいと考える人を除いては、殆どの人は、困ってしまいます。心の中で「さて、困った、どうしようか」とつぶやくことになります。

こんな事態を克服するために、参加している人に話しかけ、理解を求めようと努力する人もいますが、面倒なので、とりあえず従うような素振りを見せるという人もいます。しかし、たとえ、理解を求めようと努力するつもりがあったとしても、そう簡単にはいきません。

自分の意見に賛成してくれそうな人が少しでもいたり、意見の根拠を真剣に聞いてもらいえる雰囲気があればいいのですが、必ずしもそんな場面だけではありません。多数派の意見がそれなりの根拠を持っていたり、地位の高い人が主張する意見であったりすれば、非常に異議を唱えづらい雰囲気となります。自分の意見を主張するには、強い意志と勇気が必要となります。どのタイミングで言うべきなのか、それは今なのか、たいへん迷うところです。

特に、会議にただ参加しているというのではなく、組織の代表として、或いは、リーダーとして参加しているようなときには、安易に話を見過ごすわけにはいきません。言うべきことを言う責任があります。簡単に周りの意見に同意というわけにはいきません。その決定内容は、自分だけでなく、多くの人たちに影響するからです。

更に、関係する組織が当然と思うようなこと、当たり前と考えることに対して、相反する意見を主張しなければならない時には、特に強い意志が必要となります。議論することがというより、話を切り出すこと自体が難しくなります。

こんな難しい状況下であろうとも、責任ある人にとっては、迷うことなく、常に言うべきことを言う毅然とした態度が必要となるのです。

「リーダーの仕事の中でもっとも勇気がいるのは、現体制をひっくり返し、多数派に挑戦することになるかもしれない情報を検討し判断を下すことである。- ニューヨーク消防局消防隊 隊長 - (P53)」
John Salka / Barret Neville (2004) “First in, Last out: Leadership Lessons from the New York Fire Department (人を動かす火事場の鉄則)” Portfolio Trade (講談社)

2010年4月11日日曜日

『プロフェッショナル』って、何のことだと思いますか?

『プロフェッショナル』というものについて、今まで様々な人により語られてきました。

TV番組
・プロフェッショナル 仕事の流儀, NHK
書籍
・プロフェッショナルの条件, P・F. ドラッカー
・ザ・プロフェッショナル, 大前 研一
・プロフェッショナルたちの脳活用法, 茂木 健一郎
・プロフェッショナル原論, 波頭 亮
これらや、多くの方のブログなどにおいても、語られています。

これらをみると、何か、「スペシャリスト」的に捉えていたり、かなり高度な知識や経験を持っている人を指していたり、また、そんなプロフェッショナルが持つべき「心構え」的なものに注目している場合が多いような気がしています。しかも、いずれも、ちょっと、普通、「そんな人いるのかなあ」と思うほど、志が高いものを言っている場合もあります。そして、一般の職業ではなく、弁護士、会計士、コンサルタントなどの特殊な職業と同義で使用する場合もあります。

しかし、このブログでの定義は、このような意味での「プロフェッショナル」というものではありません。ここでは、
プロフェッショナルとは、その仕事で生活している人
と定義したいと思います。

何か、あまりかっこよくないかもしれませんが、「プロフェッショナル」というのは、かっこいいものではなく、
・期待されていることを、期待されているように人
・当たり前のことを、当たり前のようにキチンとやる人
・行為や結果にムラノない人
・その仕事を生業としている人
・一般の人がやれないこと、やり難いことをやる人
といったことだと思っています。

以前、私自身も、特殊な職業で、ちょっとカタカタであることもあり、カッコいい、収入も高い人などのイメージで捉えていたところもありますが、仕事を始めてから20年以上経ち、いろいろな職業、人、場面を経験して思うのは、「プロの凄さは、毎日同じ事を同じようにやること」だと思うようになりました。
これが、意外に誰でもやれるようで、そう簡単にはできないことではないと。アマチュアなら、土日や、やりたい時にやればよかったとしても、プロフェッショナルとなると、そうはいかない。やれたり、やれなかったりでは、すまない。そう思うようになりました。

このような背景もあり、このブログ、「プロフェッショナル・マインド」では、このような定義とし、特に、特殊な専門職を対象とするのではなく、誰でも、その仕事で生活しているのであれば、「プロフェッショナル」と呼び、そして、そのプロフェッショナルの「前向きで、高尚な心構え」ではなく、「仕事をする上での当たり前なマインド」について考えて行きたいと思っています。

従って、
・特に特殊な職業でもない、普通のサラリーマン
・これから、学生等の「アマチュアな世界」から「プロフェッショナルは世界」へと進む人
・仕事をして長いが、「プロってなんだろう」と思っている人
・あまり、人から注目されるような仕事とは言えないが、でも、その仕事をずっと続けている人
・カッコよさだけじゃないと、何か気づいた人
・地味な仕事を率先してやっている人が、会社で評価されていないことに疑問を感じている人

など、こんな方に、このブログを見ていただければなあと思っています。

こんな、コンセプトで「プロフェッショナル・マインド」について、考えて行きたいと思います。

ご意見等のある方は、ぜひコメントいただければと思います。

【参考】
Professional Mind (プロフェッショナル・マインド)

2010年4月2日金曜日

4.判断力をもたらす経験と訓練の数

短い時間で何かを判断するには、あらかじめ決めておいた判断基準や直感が必要となりますが、これらは、やはり突然身に付けられるものではありません。何度も繰り返し訓練したり、実際の経験を数多くこなすことが、このような場面での判断を迅速なものとします。

業務改革のプロジェクトを担当していた頃、ちょっとした場面でしたが、少々いきづまっていたある会議において、こんな場面に遭遇しました。

ある時、数名で会議をしていました。意見が真っ向から対立し議論が続きます。それぞれの意見には、それなりの根拠がありました。一通り意見を出し合い答えを見出せず行き詰っていた時、その件に関係する取締役がふらりと会議室に入ってきました。二時間以上続いている会議の内容を隣に座っている人から聞くわけでもなく、ホワイトボートに書かれたいくつかの文字や絵をちらりと見てその人は、言いました。「重要なのは、その点ではない」この言葉の後、そう判断した根拠について話を聞くことになりましたが、参加者で誰も反対意見を述べるものはいませんでした。けっして立場が上だったからというのではなく、正しい判断だと誰もが思ったからです。

この時、経験の数、前提の理解、視野の広さが、複雑な場面においても、すぐに状況を理解させるものなのだということを理解することができました。重要な点を一瞬で理解し判断するのは、単に頭のよさや年齢などではないと学んだ瞬間です。

何か画期的なコツや技のようなものがあるわけではなく、日々起こる様々な事を貪欲に吸収し、広い視野を持ちつづけて、はじめて、今、その瞬間に何をすればいいのかが、目の前に見えてくるのだと思います。もちろん経験や訓練の中味についても大切ですが、それらを繰り返し行ったり、経験することが、重要な場面での適切な判断をもたらすことになります。少し地味な話ではありますが、これが真実なのだと思います。

「今この瞬間に、何がどうなっていて、何が一番重要なのかを判断し、すかさず行動に移るという習性を身につける必要があり、そのため地上で分析、検討と、それにもとづく操作の練習が重視される。- 元航空自衛隊 戦闘機パイロット- (P135)」
服部省吾 (1999) “戦闘機パイロットの空戦哲学 ” 光人社

2010年3月31日水曜日

【映画で学ぶ】 アポロ13

10年程前、アメリカ人のマネジャーと仕事をしていて、いろいろな問題が多発し、どう対応していいのか、皆、分からなくなっていたとき。
ふと、そのマネジャーが、
「映画のアポロサーティーン見たことあるか?」
と聞いてきた。
アポロサーティーン(アポロ13号:宇宙船)のことで、そのときは、「アポロ13号は知ってるけど、それが?」と聞き返した。つまり、彼は言いたかったのは、このアポロサーティーンっていう映画、いろいろなトラブルが発生して、地球に帰還できないといった状況に陥っても、地上と宇宙船の両方のチームが、やれる限りのことを考え、試し、そして、無事に帰還するという実話を元にした映画。
「そんな風に諦めずに皆で考え、行動しよう」と言いたかったようだ。
そんな話を聞いてから、一度は見たことのある映画をもう一度、観てみると、たしかに、単なるハリウッド娯楽映画というのではなく、もうすこし深く観る事ができた。
今も、なんとなく頭に残る。地上と宇宙の離れた場所にいる者同士が全力で帰還への道を探る....。
こんな映画でも、プロフェッショナル・マインドを体感できる。

出演:ケビン・ベーコン, エド・ハリス, ビル・パクストン, ゲイリー・シニーズ, トム・ハンクス(特に、エド・ハリスが凄い)

2010年3月29日月曜日

3.「真実らしいこと」の客観的追究

反対意見や、少数意見も無視することなく、検討の対象とする。このように自分や多数派の意見にこだわることなく、考えていく姿勢は非常に大切なことです。多くの人たちは、熱意のあまり、周りが見えなくなり、特定の意見や考えにこだわってしまいます。

「この商品と競合になるような商品は、存在しません」、「まさに、お客様のニーズにぴったりだと思います」、「これは、優れたものを組み合わせているため、良くないはずがありません」などと、熱く語るという意味では、素晴らしいことですが、これは全く客観性の欠けた考えかもしれません。競合製品やお客様のニーズを完全に知り尽くし、そして、良いものの足し算が必ず良いものになると言い切ることが、本当に可能なことなのでしょうか。事実を反映しない、単なる思い込みであっては分析になりません。

自分では、いろいろなことを知り、検討しているつもりでも、実際には、全く目や耳を閉ざしてしまっていると受け取られてもおかしくないような場面に出会うことがあります。これでは、良い方向に進められるような計画を立てることなどできるはずもありません。

自信のない営業マンの話は聞きたくはありませんが、だからといって、根拠のない話を歓迎する気にはなれません。いろいろなことに対する思い、愛着、そして、そうであったらいいなと思う気持ちなど、様々なことが自分の話のトーンを決めることになりますが、分析を行う以上、客観的な姿勢を忘れるわけにはいきません。

このような姿勢で分析に臨むことは、たいへん難しいことではありますが、目の前にあるものをできる限り客観的にとらえ、そこで初めて分析したことになります。そして、そこから、より正しいと思われる、新たな道が生まれることになります。

「分析とは、客観性を担保しながら、極力「真実らしいこと」を追究していくものである。そこに、情報源に対する親愛の情や、思い込み、あるいは偏見があっては成り立たないものだ。- 元外務省 北朝鮮班長/外交官- (P92)」
原田武夫 (2006) “元外交官が最前線で見てきた 超一級の外交術:勝者が必ず踏んでいた「7つのプロセス」とは” 青春出版社

2.言える雰囲気を作る

仕事では、自分一人で何かを考えるというより、複数の人とミーティングを開き、考えていくといったことが多いはずです。しかし、自分の意見にあまりにも自信があったり、こだわっていると、他の人の意見に耳を傾けることができません。聞いているように見えても、最初から答えが決まっており、何があってもそこに強引にもっていこうとするだけです。

研修において、意見をまとめてもらった後、その対極にある意見を考えてもらうことがあります。しかし、意外なことですが、この対極にある意見をすぐに上げることができない方がいます。自分の意見を持つことはできても、それと反対の意見については考えもつかないようです。

もし、リーダー的な役割の人が、他人の意見を聞こうとしない雰囲気を見せてしまうと、その場は、「無駄かもしれないけど、とりあえず、言ってみるか」と思うか、或いは、「言ってもしょうがないし、面倒だから黙っているか」と思うか、そんなことになってしまします。参加者は、もう、うんざりというか、時計を見ながら次の仕事のことを心配し始めます。

出来るだけ自分の思っていることをストレートに言えるような場面を研修では作るようにしていますが、ちょっと不思議なくらい盛り上がりをみせることがあります。「あっという間の時間だった」、「気持ちが楽になった」などの感想を得ることがあります。話合う機会が多いはずの会社では、意外にも、自分の意見を言うような場面が少ないようです。最近は、自分の意見を言うことが求められているように見えて、それを言うことが難しくなっているのかもしれません。

会社というのは、感情や感性を持った人の集まりです。ですから、論理性や合理性、そして、リーダーの持つ強固な意見を強調しすぎると、思ったことを率直に話す風土を失ってしまいます。結局、率直な意見や反対意見を述べたものにとっては、疲労感だけを残すことになってしまい、立場の上の人の意見のみが常に正しいという誤った状況を生み出してしまいます。

「リーダーは、メンバーの内の誰かが一人でも疑問をさし挟んだら、必ずもう一度確認する姿勢をとることが重要です。リーダーは日ごろから、このような場合に物を言いやすい雰囲気を作らなければなりません。部下が何か言うと、怒られたり、文句を言われそうだからおかしいと思ったけれども口に出さなかったというのはリーダーに責任があります。- 国際線旅客機 機長 - (P67)」
坂井優基 (2006) “パイロットが空から学んだ危機管理術” インデックス・コミュニケーションズ

1.人を信用し、そして信じない

人を信用する、或いは、しないというのは、少々厄介な問題である。

自分の部下や仲間を信じるのは、仕事をする上で必要なことであるが、だからと言って、いつも信用するというものでもない。悪意や怠慢さを感じるということではないが、人には勘違いや誤解もある。いかに、いままで良い仕事をしたり、能力が高いかったとしても、必ずしもこれを前面的に受けるわけにはいかない。
しかし、逆に、信用しないかと言えば、それも違いう。信頼というより信頼関係のようなものがなくては、まともな仕事はできない。

「信用する」、「信用しない」の二つは、簡単にどちらかが取るべき道であるということではない。この相反する二つについて、その場面でどのように考えるべきかを決める必要がある。

何か質問をしたときの確認では、相手の勘違いや、深く考えていないがために答えたこをそのまま受け取れば、時間を経て、よくない結果が待っている。ここでは、相手の状況や背景を含め、相手の返答をまともに受けるのではなく、間違ったことを言う可能性を考えることが必要となる。

例を挙げればきりがないが、仲間意識、信頼、危険、道徳、倫理、そういったことでは解決できない、重大な意味を含んでいる言葉だ。

「人を信用しなければいけないという面と疑わなければいけない面とのジレンマがある。真面目な人ほどこのジレンマにいつも陥っている。『信用しないと人はついてこない』という面と、『ただ信用していたら判断を誤る』という面とがある。- 元警視庁副総監 - (P209)」
岡田薫 (2007)“捜査指揮:判断と決断”東京法令出版

2010年3月27日土曜日

プロフェッショナルは、異分野のプロから学ぶ

プロフェッショナルについて、書かれた本はたくさん出版されています。プロフェッショナルとはどういうものか、どうあるべきかなど。最初は、なるほどと思うことも多いと思いますが、数冊の本を読んでいるうちに、なにか足りないなという気分になります。その理由は、「リアリティが足りない」からです。それはそうだと思いえても、実際の仕事の場面、職場をイメージしてみると、なんか雲の上の世界に感じます。もっと「リアリティを」という発想が生まれます。

次に、「リアリティを求める」た場合は、実際に成功しているビジネスマンがTVなどに登場して、「なぜ、このような立場になれたのか?」といったことを語ってもらうようなことがあります。また、書籍においても有名な経営者の自伝的なものなど。

これらが、主なプロフェッショナルについての学習の世界だと思います。

しかし、ちょっとちがう、「アカデミックに整理されたプロフェショナルの技」或いは、「有名な成功者が語る成功物語」が、一般の人の仕事や生活に本当に適用できるのか疑問に思えます。

本当に必要なのは、「リアル」であり、「特定の人を対象とした話でない」ものが必要だと思います。
そんな事を考えていたときに、2年ぐらいまに良い本を見つけました。

「パイロットが空から学んだ一番大切なこと」坂井 優基 インデックスコミュニケーションズ (2005/05)
という本です。



この本の中で、

「パイロットの世界で名人、上手と言われる人ほど、飛行機の勉強だけでなく他の分野についても勉強していることです。原子力発電所の事故の話から、JRの運転手のとっている安全施策まで、実によく知っています。そのほとんどが、考え方やスタンス、自分の立つべき立脚点という話に結びつきます。P200,201」

というように、自分の分野だけなく、他のプロフェッショナルでのやっていることをも研究し参考にするという姿勢の必要性が語られています。

プロフェッショナル・マインド。

これから、他の分野の常識や経験を、自分の分野に活かすということについて、紹介していきたいと思います。

プロフェッショナル・マインドのブログを開始

本日より、プロフェッショナルマインドのブログを始めます。
どんな厳しい場面でも、揺るがない、ぶれない、自分を築く。